ワーク・ライフ・バランス(以下WLB)を実現するためには、企業の取り組みを促す必要があります。そのために、新しい法律によって企業の取り組みを促進する方法もありますが、どのような状態をもってWLBが実現できているかを判断するには、個人により様々であるため、法律で一律の取り組みを定めるというのは難しいという課題もあります。
したがって、企業が、それぞれの業態や職場の実態、社員の生活実態などを踏まえたうえで、適切なWLB支援のためのし悪を選択して導入していくことを、政策的にサポートするための環境整備が重要となります。
環境整備の1つには、WLB支援の企業経営上の効果を測定し、その結果を企業に提供することが含まれています。
例えば、2005年に施行された次世代育成支援対策推進法は、企業がそれぞれの現状に合わせて次世代育成支援のための取り組みを進めていく枠組みを提示した法律です。従業員規模301人以上の企業は、行動計画の策定を義務付けられますが、計画の内容に取り組みの最低限の水準は決められていません。
計画の進歩状況により企業を認定する場合に、女性の育児休業取得率70%以上、6歳までの短時間勤務の導入、男性の育児休業取得者1人以上といった絶対水準が儲けられていますが、これはあくまでも認定を受けようとする場合の条件であり、行動計画事態の最低基準ではありません。
企業によるWLB支援推進のポイントは、施策を提供・運用する企業にとって、そのメリットが明確に理解されることです。企業に経営上のメリットが理解されれば、様々な工夫をしながらWLB支援のための施策を自主的に導入する企業が増えていくはずです。